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: 湯木美術館・藤田美術館・みんぱく・大阪日本民芸館 :

▼ 旧ブログ 記事:2009/03/21 11:48 からの転載 ▼ (写真は転載なし)


阪神なんば線が全通し、乗換なしで神戸から奈良まで繋がった昨日、
あまのじゃくのワタクシは、京阪・阪急・阪神本線を利用して、
大阪方面の美術館に行って来ました。

まず
湯木美術館:「千家十職 -茶道具と懐石の器-」展

祝日の淀屋橋・本町かいわいは、平日がウソのように、閑散としています。
館もあいかわらず、ほとんど「貸切」といった風情で、
マイペースで、心置きなく見学できます。

「吉兆」の創業者 湯木貞一のコレクションを母体としているだけあって、
香雪美術館 や 藤田美術館 白鶴美術館に比べると、
「ちょっと使っちゃおうかな?」的な クラスの作品が多い気がします。
今回は、テーマがズバリ 「懐石の器」でした。
極端な珍品や名物は ありませんが、十職さんの普段の仕事ぶりを概観するには、
ちょうどいい展示点数でも あります。

続いて
藤田美術館:「日本のやきもの -桃山・江戸の茶陶」展

いつもながら、名品が 当たり前の顔をして さりげなく展示してあります。
あまりに さりげなさすぎて スルーしてしまいそうですが、
「桃山」と「江戸」というキーワードを意識して見学すると、
両者の違いが、浮彫りになるのでは?

私が「お道具イロハ1」で書いた、仁清と乾山の違い の見本になるような、
野々村仁清 作の一群と、尾形乾山・光琳 作の一群が、
たくさん展示してありました。
仁清・乾山 と 古清水・粟田焼 なども、関連づけて見学すると、面白いでしょう。
「仁清信楽」や「空中信楽」も展示してあり、
(解説は少ないですが)「なるほど これが そうか」と体感できると思います。

最後に
国立民族学博物館:「千家十職 × みんぱく -茶の湯のものづくり と 世界のわざ」展

現在 みんぱくが主導する形で、関西の26ミュージアムが
「茶の湯の世界」という共通テーマで連動しており、相互割引などの特典もあります。

みんぱくが収蔵する、世界各地の膨大な民族物を 十職さんに見てもらい、
そこから受けたインスピレーションで、新しい道具を創作してもらうという、面白い企画です。

企画自体は面白く、十職さんの新作品も面白いのですが……
あまりに展示スペースが広すぎて、ちょっと企画の意図が霞んでしまった感があります。

さて、私が一番 勉強になったのは、
「三猿」(「茶道名数検定」でオナジミの……、見ざる・言わざる・聞かざる)が、
実は 世界各地に散見されるデザインだ ということです。
説として聞いたことはあったのですが、実際に実物がありました!
オランダに伝わる民族物の道具は、まさに3匹の猿(?人?)が 目や口や耳をふさぐデザインでした。
〜ザルは、決して駄洒落ではなかったのです。

閉館時間が来てしまい、ガードマンに背中を押されるようにして、
それでも出口のショップで、グァテマラのお手玉を息子への土産に買い、
お腹いっぱいになって 帰宅しました。