~ 茶之湯を未来へ ~
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: 6月4週目のニュース(2017)抜粋 : 【茶道ニュース】

▼ロンドンで催されたお茶会の紹介

【中日新聞 石川:6/22】より

《災い続くロンドン 安らぎを 内灘の岡本さんら 歴史や作法を指導》
http://www.chunichi.co.jp/article/ishikawa/20170622/CK2017062202000041.html

→創造的な茶の湯空間を提供し、茶道の裾野を広げる「21世紀の茶会」が、英国・ロンドン市内で開かれた。テロや大規模火災などが続く中、茶道に初めて触れた英国人らは心安らぐひとときを過ごした。
→ロンドンで日本語や日本文化を教える「新井アカデミー」代表の新井峰子さんが、知人の生け花講師宅を会場に企画。同アカデミー生徒を通じて知り合った石川県内灘町の茶道コーディネーター岡本恭子さんが自ら製品化した携帯用の茶道具を使いながら、茶道の歴史や茶会の作法などを教えた。
→岡本さんは「小さな活動だが、お互いの文化を理解することで懸け橋になれれば」と感想。新井さんは「日本特有のおもてなしや平和の心を学べたと思う。これからも日本文化を発信する場を設けていきたい」と話した。

テロや災害は、他人事ではありません。また、文化の相互理解は、お茶の精神に叶うものかと存じます…


▼日光東照宮 陽明門修理記念

【下野新聞 :6/22】より

《日光東照宮で献茶と茶会 裏千家淡交会、陽明門の修理記念で》
http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/top/news/20170621/2727552

→日光東照宮の国宝「陽明門」が修理完成したことを記念し、茶道裏千家淡交会県支部は20日、東照宮で「献茶式」と「奉賛茶会」を開いた。
→東照宮では茶道に造詣が深かった徳川家康の遺徳をしのんで献茶式が開かれており、裏千家淡交会と表千家同門会が1年交代で担当している。
→献茶式の会場となった拝殿には神職や茶道関係者約180人が参列。裏千家の坐忘斎千宗室家元が優雅な作法で濃茶と薄茶をたて、神前に献上した。

東照宮では復元された猿や猫の顔の、復元前との違いでも話題になりましたね…


▼400年前のおもてなし???

【毎日新聞 @関東学院大学:6/14】より

《茶の湯とイエズス会の研究で茶道文化学術奨励賞 非常勤講師のスムットニーさん》
https://mainichi.jp/univ/articles/20170614/org/00m/100/010000c

→お茶に関する研究を対象とした茶道文化学術賞(財団法人三徳庵主催)の27回目の受賞者が決定し、関東学院大学非常勤講師のスムットニー祐美さんが奨励賞に選ばれた。
→受賞対象となったのは、スムットニーさんの著書「茶の湯とイエズス会宣教師 中世の異文化交流」(思文閣出版)。戦国時代、キリスト教布教のために来日したイエズス会の宣教師と茶の湯の深い関わりを、膨大な資料をもとに解き明かした力作だ。
→学士会館で行われた授賞式で講演したスムットニーさんは、世界各地で布教活動を展開していた当時のイエズス会が、それぞれの地の風習を取り入れることでキリスト教との接点を創出する「適応主義」を取っていたことを紹介。日本では茶の湯がその一つで、日本家屋を模した修道院で、神父が来客のために茶をたて、なつめや水差しといった茶道具が完備されていたことなどを説明した。
→さらに、「許可なく茶道具に触れてはならない」「ふさわしくないものを茶室に持ち込んだり、ふさわしくない話をしたりしてはいけない」と、宣教師たちが茶席を清浄な場としてとらえていたことに、記録を示しながら触れた。
→選考委員長の竹内順一・東京芸術大学名誉教授は「茶の湯とキリスト教に関する先行研究は存在するが、イエズス会が精神的な側面に理解を示していたところに注目した業績を高く評価したい」と述べた。
→受賞後、スムットニーさんは「戦国時代にヨーロッパの人々を魅了した日本のおもてなしが、2020年の東京五輪でどのような展開を見せるか、楽しみです」と笑顔で語った。

●「茶の湯とイエズス会宣教師 中世の異文化交流」 (スムットニー祐美)
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→16世紀末、いわゆる戦国時代に、ヨーロッパからキリスト教布教のために来日したイエズス会宣教師たちは、在日中、文化や人々の生活習慣などの情報収集と分析を行い、日本人にふさわしい宣教の糸口を模索していた。その一つが、日本人の間で盛んに嗜まれていた茶の湯であった。 従来は漠然としか考えられていなかった茶の湯とキリスト教との関係を、ローマイエズス会文書館より収集した本邦初公開の史料をもとに、詳細に明らかにする。そこからは、彼らキリスト教宣教師たちが、いかに茶の湯の精神的側面を高く評価し、茶の湯による接客を重視していたかが浮き彫りになる。
現在の異文化交流のヒントに満ちた、四百年前のおもてなしの実態を鮮やかに描き出す。

→【目次】
 序論

→第1章 異教徒への適応主義に基づいた宣教方針
  イエズス会創立の経緯/エンリケスの宣教方法

→第2章 ルイス・アルメイダの茶会体験報告
  アルメイダが堺の都市を訪れるまでの経緯/アルメイダが認識した茶の湯

→第3章 ルイス・フロイスの茶室に関する報告
  フロイスが認識した茶室/日本における適応主義に基づいた宣教の実態

→第4章 通辞ジョアン・ロドリゲス『日本教会史』から 巡察師アレッサンドロ・ヴァリニャーノの宣教方針への道程
  ロドリゲスが『日本教会史』を編集した経緯/ヴァリニャーノの日本視察までの経緯/ロドリゲスとヴァリニャーノが認識した日本の礼儀作法

→第5章 ヴァリニャーノが茶の湯から導き出した適応主義に基づく宣教方針
  ヴァリニャーノが意図したイエズス会の茶の湯者「同宿」/イエズス会修道院内の茶の湯によるもてなし/ヴァリニャーノが認識した茶の湯の精神性

→結論

→史料「日本管区規則」(ローマイエズス会文書館所蔵)より
  「同宿規則」
  「客のもてなし方規則」
  「茶の湯者規則」
  「受付規則」

私は本書をまだ読んでいませんが、「郷に入れば郷に従え」的なやり方は、茶や禅と親和性が高そうな…