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: 松花堂庭園・美術館 :



先日 午前中に4時間ほど時間ができたので、迷った末にこちらに行って来ました。

もう少し時間があれば、いつものように京都市内の美術館巡りもでき

あるいは、大阪市内の美術館巡りや 兵庫県内のはしごも考えたのですが、

こちらは こういう機会でもなければ、行けないような気がして。

また昔 こちらが開館してすぐの頃、仕事で毎日 館のすぐそばまで通った時期があったのに、

結局 中には入らぬまま 今に至ってしまったので…


*


●松花堂庭園・美術館

:平成27年 館蔵品展I「【小特集】松花堂、ユーモアの系譜」展

:〜6月28日(日)

http://www.yawata-bunka.jp/syokado/


庭園と美術館に別れており、個別見学と両ゾーン共通チケットの2種類があります。

なにぶん初めての館でしたので、時間配分が読めず、ひとまず 美術館のみに入ってみました。

展示室に入る前の導入部分に 「松花堂昭乗とは どういう人物か」 という常設の解説があり、

これが解りやすく、しかも かなり充実しておりました。

公にも武にも いわば貴賎を問わず 幅広い人脈を持ち、当時の「文化」のカナメ的役割を果たした昭乗の偉大さが

展示品を見る前に 予備知識としてしっかり伝わって来ます。

(年表は学術的にかなり詳しく、今回は詳読を略しましたが…)


で もって展示室に入ると、その「ユーモア」 の系譜に心が和みます。

正直、昭乗が直接的に関わった作品は 点数として限られているのですが、

豊蔵坊孝仍や 萩坊乗圓あるいは 豊蔵坊信海といった

いわば宗教面での弟子筋にあたる方たちの作品が 面白いです。

また、「松花堂もどき」 とでも呼べる作が 比較展示してあるのも。


(昭乗自身の作は、当館のオープン記念 「松花堂 茶会記と茶の湯の世界」展:2002年10月

 に、網羅的に蒐められていたようで、つくづく当時行けなかったことが残念です。

 図録がミュージアムショップに残っていたのを、なんとか手に入れた次第です。)


(上記 館のリンク先で、館蔵品の多くが公開されていますので、ご参照ください。)

*

展示品については 少し物足りない思いがしたので、

せっかくなので庭園にも入ってみました。

両ゾーンの間に「京都吉兆 松花堂店」 があり、元祖 松花堂弁当が 庭を眺めながら食べられる造りですが、

図録を買ったら 財布に200円しか残っていないのに気づき 諦めました。そもそも時間が無いのだ し…と。

さて、「エジソンの竹」の八幡市だけあって 竹の種類が面白いです。

北は京都から 南は「かぐや姫」の京田辺まで このあたりは「竹の本場」なのでしょう。

竹垣も種類が豊富で、それぞれにネームが打ってあるので、違いがよく解ります。


(思えば、高校の頃、まだ茶道と出会う前に 図書館でたまたま竹垣の写真集を見て、灯籠の写真集、石組の写真集…と、庭にのめり込んでいったのを思い出しました)


上の写真は、「昭乗垣」。桂離宮の「穂垣」と組み方が少し異なります。

(組む仕事のことを考えると、気が遠くなる思いです。見る分には美しいのですが)

受付で頂いた 簡単な地図とにらめっこして、お目当ての「松花堂」 に急いだのですが、

ようやく出口まじかに見つかりました。

昭乗の人となりを偲ばせる、また、草庵かくべしと唸らせる 素晴らしい建築です。

(寝起きできるたけの空間に、洞庫というか棚袋というか 押入れ的な襖の内側に 丸炉が切ってあります。)

また、隣接する 「泉坊 書院」 は、立派な書院造りに玉座まで備わり、

これは期待以上でした。


ウィキペディアの松花堂の欄にあるように
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E8%8A%B1%E5%A0%82

かつて男山に 数百を誇った坊も、江戸末期には48坊となり、それも かの廃仏毀釈で 壊滅します。

地元の篤志家が 移築につぐ移築で なんとかこれを守り抜き、

塚本素山氏の手になったあと (ワコールの塚本幸一氏だと今まで誤認していましたが、素山氏でした…)

八幡市に寄付され、紆余曲折を経て、今の形になったということのようです。



相変わらず だらだらと書いてしまいましたが、時間が来ましたので このへんで…


駐車場が広く、(石清水八幡宮 等 周辺に行かれないのなら) 車を利用される方が便利ではないでしょうか。


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