2013年1月

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▼ 旧ブログ 記事:2009/04/06 12:31 からの転載 ▼ (写真は転載なし)

ホームページの美術館リンクに、
「松花堂庭園・美術館」「宇治・上林記念館」を追加し、
「大阪市立 東洋陶磁美術館」の情報を更新しました。

国公立の美術館さんは、4月に新年度を迎え、
キチッと、「年間スケジュール」を今の時期に送って来てくださいます。

大阪東洋陶磁美術館さんの「目玉」は2つの国宝
「飛青磁花生」と「油滴天目茶碗」のようで、
展覧会ごとに、かわるがわる出展しておられます。

今年度の年間スケジュールは以下です。

4/4(土)〜7/20(月)
テーマ展:「浅川伯教が愛した韓国のやきもの」
特集展:「文人コレクターの眼差し-白梼廬コレクション中国陶磁」
平常展:各コレクション+ 飛青磁花生

8/1(土)〜11/23(月)
企画展:「中国陶磁に遊ぶ」
企画展:「水都大阪2009記念事業『水都大阪再発見』
平常展:各コレクション+ 油滴天目茶碗

12/5(土)〜3/28(日)
特別展:「北宋汝窯青磁-考古発掘成果展」
特集展:「初代 宇野宗甕の陶芸」
平常展:各コレクション+ 飛青磁花生

私が行く時は、いつもたまたま飛青磁の展示期間中で、
今年も、一番興味がひかれる 宇野宗甕展の時が、やはり飛青磁……

みなさまも、ぜひ お出かけくださいませ。
▼ 旧ブログ 記事:2009/03/26 14:37 からの転載 ▼ (写真は転載なし)


春季特別展 「楽歴代」展

:4/4(土)〜6/7(日)


初代 長次郎から、ご当代まで、15代に亘る作品がズラリと並ぶ
恒例の「歴代」展が、今年も始まります。

先代の作行を 踏襲する方もいれば、
先代とは 真逆の方向を目指す方もいて、
黒と赤の焼物の中に、代々の、性格なり思想なりが透けてみえます。

楽400年の歴史が 小さな一部屋に凝縮されているのを思えば、
感慨ぶかいものがありますが……
単純に、「楽って やっぱり面白い」と、心ゆくまで堪能しましょう。

「楽家の系譜を紐解きながら、伝統と創造の世界をご満喫ください」
と、アノ楽美術館さんが おっしゃるので、
これは 行くしかないです!


:写真(左から)

黒 筒 「村雨」-初代 長次郎
花入 二彩 鶴首-3代 道入(のんこう)
香炉釉 井戸形 -2代 常慶
▼ 旧ブログ 記事:2009/03/21 12:41 からの転載 ▼ (写真は転載なし)


みんぱく のすぐ隣なのに、時間がなくて行けなかった

大阪日本民芸館:「茶と美 -柳宗宗悦・茶を想う」展
3/12(木)〜7/12(日)

面白いことに、「茶の湯の世界」26ミュージアム連動企画には、参加しておられません……
みんぱく と同じ敷地内なのに。おなじ民芸の「河井寛次郎記念館」は参加してるのに。
テーマも、まさに「茶」なのに。
伝統主義 権威主義から距離を置く、民芸の真骨頂でしょうか???

柳は、「茶」の精神に深く共鳴しながらも、
家元制度 封建的ピラミッド形の定着してしまった 当時の「茶道」に警鐘を鳴らしました。
一方で、
日常雑器に美を見出した 利休や初期の侘び茶人たちに、民芸と通底するものを感じました。
精神面でも 道具の面でも、いわゆる「茶道」と同じ方向を志向しながら、
それとは違ったヤリ方もあるということを、試み 示しました。

1955年に実施された「第一回 民芸館茶会」、3年後の「新撰茶器特別展」
の道具が、今回展示されているということで、是非是非 行ってみたかったのだけれど……

茶之湯の(茶道具の)バトンを未来に繋げるには、どうしたらいいのか
たまには こういう 違う視点から、茶道を振り返ってみるのも いいかもしれません。


弊ブログの「河井寛次郎記念館」紹介:
http://blogs.yahoo.co.jp/seiyudou/MYBLOG/yblog.html?fid=0&m=lc&sk=0&sv=%B5%AD%C7%B0%B4%DB

▼ 旧ブログ 記事:2009/03/21 11:48 からの転載 ▼ (写真は転載なし)


阪神なんば線が全通し、乗換なしで神戸から奈良まで繋がった昨日、
あまのじゃくのワタクシは、京阪・阪急・阪神本線を利用して、
大阪方面の美術館に行って来ました。

まず
湯木美術館:「千家十職 -茶道具と懐石の器-」展

祝日の淀屋橋・本町かいわいは、平日がウソのように、閑散としています。
館もあいかわらず、ほとんど「貸切」といった風情で、
マイペースで、心置きなく見学できます。

「吉兆」の創業者 湯木貞一のコレクションを母体としているだけあって、
香雪美術館 や 藤田美術館 白鶴美術館に比べると、
「ちょっと使っちゃおうかな?」的な クラスの作品が多い気がします。
今回は、テーマがズバリ 「懐石の器」でした。
極端な珍品や名物は ありませんが、十職さんの普段の仕事ぶりを概観するには、
ちょうどいい展示点数でも あります。

続いて
藤田美術館:「日本のやきもの -桃山・江戸の茶陶」展

いつもながら、名品が 当たり前の顔をして さりげなく展示してあります。
あまりに さりげなさすぎて スルーしてしまいそうですが、
「桃山」と「江戸」というキーワードを意識して見学すると、
両者の違いが、浮彫りになるのでは?

私が「お道具イロハ1」で書いた、仁清と乾山の違い の見本になるような、
野々村仁清 作の一群と、尾形乾山・光琳 作の一群が、
たくさん展示してありました。
仁清・乾山 と 古清水・粟田焼 なども、関連づけて見学すると、面白いでしょう。
「仁清信楽」や「空中信楽」も展示してあり、
(解説は少ないですが)「なるほど これが そうか」と体感できると思います。

最後に
国立民族学博物館:「千家十職 × みんぱく -茶の湯のものづくり と 世界のわざ」展

現在 みんぱくが主導する形で、関西の26ミュージアムが
「茶の湯の世界」という共通テーマで連動しており、相互割引などの特典もあります。

みんぱくが収蔵する、世界各地の膨大な民族物を 十職さんに見てもらい、
そこから受けたインスピレーションで、新しい道具を創作してもらうという、面白い企画です。

企画自体は面白く、十職さんの新作品も面白いのですが……
あまりに展示スペースが広すぎて、ちょっと企画の意図が霞んでしまった感があります。

さて、私が一番 勉強になったのは、
「三猿」(「茶道名数検定」でオナジミの……、見ざる・言わざる・聞かざる)が、
実は 世界各地に散見されるデザインだ ということです。
説として聞いたことはあったのですが、実際に実物がありました!
オランダに伝わる民族物の道具は、まさに3匹の猿(?人?)が 目や口や耳をふさぐデザインでした。
〜ザルは、決して駄洒落ではなかったのです。

閉館時間が来てしまい、ガードマンに背中を押されるようにして、
それでも出口のショップで、グァテマラのお手玉を息子への土産に買い、
お腹いっぱいになって 帰宅しました。
▼ 旧ブログ 記事:2009/03/13 19:53 からの転載 ▼ (写真は転載なし)

「茶道名数」で云うところの(?)
京都五山 の雄、相国寺の承天閣美術館から、ポスターが届きました。

北山文化・東山文化の中心地、金閣・銀閣を有する相国寺だけに、
所蔵品も、(いわゆる「唐物」「高麗物」をはじめ)由緒あるものが多いです。

日本・フランス交流150周年、京都・パリ友好50周年記念として、
去秋 パリで展観された名宝の、里帰り展です。

(この時期の京都は、人波にモまれる御覚悟の上)
葵祭の見物がてら
ぜひ ご観覧ください。

「相国寺・鹿苑寺・慈照寺の名品を、一挙公開!」
と、アノ 承天閣美術館さん がおっしゃるので、
これは 行くしかない です!!!


:「相国寺 金閣 銀閣 名宝展-パリからの帰国-」展

4/11(土)〜9/6(日)
▼ 旧ブログ 記事:2009/03/13 19:53 からの転載 ▼ (写真は転載なし)

先代(13代)中里太郎右衛門=中里逢庵さんが、逝去されました。

(特に親しい面識があったという事ではないですが)
最近、記事で時々、太郎右衛門家に触れておりましたので、
一言 おくやみを申し上げたく。

先人たちが大きな足跡を残し、先に逝かれるにつれ、
残された我々の責任の重さを、実感する次第です……

つつしんで ご冥福を お祈りいたします
▼ 旧ブログ 記事:2009/03/12 14:21 からの転載 ▼ (写真は転載なし)

「茶道名数」で云うところの、
「一楽二萩三唐津」の唐津焼をはじめ、

上野焼・高取焼・平戸焼・伊万里焼・鍋島焼・柿右衛門・薩摩焼・小代焼・八代焼・長与焼
161点が、
兵庫陶芸美術館で展示されます。

福岡玉屋百貨店の創立者、田中丸善八のコレクションに、
福岡市美術館の所蔵品を加えた、
その名も


「九州古陶磁の精華  唐津・鍋島・柿右衛門」展

3/21(土)〜5/24(日)


(この時期の丹波路は、人波にモまれることもなかろうと)
篠山城 の花見がてら
ぜひ ご観覧ください。

「全国5ヶ所を巡回するが、関西ではココだけ」
と、アノ 陶芸美術館さん がおっしゃるので、
これは 行くしかない です!!!
▼ 旧ブログ 記事:2009/03/11 14:25 からの転載 ▼ (写真は転載なし)

「茶道名数」で云うところの、
いわゆる「遠州七窯」のうち、赤膚焼 展が、
野村美術館で開かれてます。

(この時期の京都は、人波にモまれる御覚悟の上)
哲学の道 の花見がてら
ぜひ ご観覧ください。

「これほど 大規模な展示はめったにない」
と、アノ 野村美術館さん がおっしゃるので、
これは 行くしかない です!!!


:平成21年 春季展
「春の取り合わせと赤膚焼」展

前期:3/7(土)〜4/19(日)
後期:4/21(火)〜6/7(日)
▼ 旧ブログ 記事:2009/02/19 18:35 からの転載 ▼ (写真は転載なし)

できたてホヤホヤの ポスターを、
館長さんが持っておいででしたので、
さっそく ご紹介!


「開館75周年記念:鶴翁から 明日への贈りもの」展(春季の部)

:3/7(土)〜 6/7(日)


※白鶴美術館……嘉納鶴翁の蒐集品を中心に展示する。
        大倉集古館、大原美術館、根津美術館などとともに、戦前に設立された数少ない美術館のひとつ。

※嘉納鶴翁(鶴堂)……7代目 嘉納治兵衛(1862〜1951)。数寄者。
             奈良興福寺 唐院お倉預かりの家に生まれ、婿養子として嘉納家に入る。
             少年時代から、正倉院展の際 看守のアルバイトに進んで参加するなど
             古美術ずきであった。石州流の茶を学んだといわれる。


(ちなみに……お酒の「白鶴」の嘉納家を「白嘉納」と呼び、「菊正宗」を「本嘉納」と、
 江戸期には呼んでいたようです。)

(「菊正宗」嘉納治郎右衛門 家の、8代 治郎右衛門が、すなわち嘉納玉泉。
  住友友純(春翠・好日庵)と同門の 裏千家一門です……)


自分の美意識に適った、自分の好きな物を、(商売とは関係なく)蒐集し、
それを公開し、社会に還元する……
鶴翁の生き方には、ある種の憧れをおぼえますので、その書を「非売品」として店に掛けております。

館長さんがおっしゃるには、好んで字を書かれたらしく、時々思わぬ所で目にされるようです。

「好古」という なんともソノマンマな内容が、特に気に入っております……
▼ 旧ブログ 記事:2008/09/20 19:06 からの転載 ▼



私の勝手な解釈で、記念館を、簡単にご紹介しましょう。

(訪問者それぞれに「私の寛次郎記念館」という思いが宿り、自分なりに解釈していることでしょう。
「自分」というのは、寛次郎さんのキーワードの一つでもあります。
「勝手な解釈」を喜んで受け入れてくれそうな、そんな場所です。)

前頁<写真1>

館内にある寛次郎さんの写真パネル。人柄・思想がにじみ出ている。

前頁<写真2>

玄関から奥に入ったトコ。「受付」付近。
囲炉裏があって、多くの人と酒を酌み交わせるように?広い。
ほんの小さな、たとえば火箸まで寛次郎のデザイン・作。
美意識がすみずみまで行き届いている。
生きるって、暮らすって、こんなにも素晴らしいことなんだ……再認識。

前頁<写真3>

素焼き窯。
半分室内・半分室外のような空間にある。内でも外でもないトコロ。
窯じたいが、寛次郎さんの彫刻作品に似た美しいフォルム。
神聖なので、注連縄をして、供物がある。

前頁<写真4>

中庭。
私が勝手に「マル」と呼んでいる石。寛次郎さんの「美」の象徴だろうか。それとも、
寛次郎さん自身の。

<写真5>

寛次郎さんは、「言葉」の人でもあった。寛次郎さんの言葉はスゴい。残された量もスゴい。
写真の掛物は『非草非人非木』。
<茶>という字を分解すると、草・人・木。
寛次郎さんの言葉は、「禅語」以上に「禅語」的であり、
禅語以上に、非禅語的でもある。すなわち、茶。

(寛次郎さんは、寛次郎的に・寛次郎として、
寛次郎式茶室で、抹茶を点てて飲んでいたようである。すなわち、茶。)

(写真は撮らなかったが)今回の、私に響いて来た「言葉」は、
「品物を買ってくる  自分を買ってくる」
という一語。
すべての「商品」に、美は、そしてそれを見出す自分は、宿っている。

<写真6>

家具・しつらえ……館内のほぼ全てが寛次郎さんのデザイン・作品。
(手先が器用だったようだ。)
そして何より、館のみなさん・館に流れる空気が、一番の作品。

<写真7>

離れにある、工房。
寛次郎親子が、仲良く並んで「蹴ロクロ」を蹴っていた。

博物館実習が終わってからも、
「展示替えをするから遊びにおいで」「この一部屋、好きに並べてごらん」「いいね。次回の展示替えまで そのままにしておこうか」と、シロートに任せて頂いた、一番の思い出の場所。
(あの経験が、現在に活かせてないのは、ご愛嬌……)

<写真8>

街中にあるとは思えない、その巨大な「登り窯」の、圧倒的な存在感!
あの柔和な寛次郎さんが、ここで火と戦っていたのか。


寛次郎的 空気をいっぱい吸い込んで、細い入口を戻り、
明日からの新たな自分に踏み出しましょう……